近年外国人患者が増えてきて、働く中で英語が必要な場面も多くなってきています。
外国人患者が来たらどうしたらいいんだろう。。。と思っている看護師は多いはず。

外国人患者さんの対応って難しいなぁ。英語も話せないし…



話せなくても大丈夫!対応法を知って外国人患者さんに関わろうね。
この記事は以下の方におすすめです。
- 看護師が必要な英語力について知りたい。
- 外国人が抱えている困難について知りたい。
- 英語が話せない時の外国人患者の対応方法が知りたい。


外国人患者の増加と看護師に必要な英語レベル


現在日本には多くの外国人が滞在しており年々その数は増えています。法務省によると
在日外国人は病院を利用しますし、日本旅行中の外国人も病気やケガで病院へ行くこともあります。
英語は世界共通語なので、外国人患者と英語でのコミュニケーションが必要な場面が病院でも増えてきています。
英語ネイティブではない患者が多数
日本にいる外国人の特徴はなんでしょうか?
実は日本に滞在しているほとんどの外国人は英語圏出身ではありません。
つまり英語ネイティブの患者さんは少ないので、英語が苦手、もしくは少しなら話せるという患者さんのが多いのが事実です。
看護師に必要な英語力は中学生レベル
年々増える外国人患者さんに対して、どう接すればいいか困っている看護師は多いはず。



英語も苦手だしどうしたらいいんだろう。。。
外国人=英語ペラペラ
と思っていませんか。
ちゃんとした英文で話さないといけないと思っていませんか?



中学レベルの英語ができれば、患者さんと最低限のコミュニケーションは取れるよ!
日本にいる外国人患者のほとんどは英語圏出身者は少ないのが現状です。
実はお互い、英語ネイティブではないので簡単な英語の方が通じるのです!
中学レベルの英語があれば問題ないです。中学レベルもわからないという方は、現在は翻訳機も多機能なため上手に使えば、英語が話せなくても患者さんとコミュニケーションがとることができます。
外国人患者が病院で困っていること


外国人患者は病院で何に困っているのか



外国人って医療機関を受診する時何に困っているの?



言葉が通じないのが一番だけど他に色々もあるよ。
言葉が通じない
外国人が医療機関に受診したときに直面する第1位の問題はずばり言語の問題です。
日本語能力の不足のため自分の症状が正確に説明できなかったり、病院の利用の仕方がわからず多くの外国人が不自由さを感じている事が多いことが様々な統計でわかっています。



大切な説明の時は通訳ができる人を用意するなど患者自身も前もって準備できるように話しておきましょう。
宗教や思想・慣習を理解してもらえない
治療やケアを受けるにあたり、医療機関の外国文化・慣習への理解不足のため,不快に感じる外国人も多いようです。
例えば宗教上,男性に肌をさらすことがタブーなイスラム教徒の患者さんは、女性医師に診察してもらう必要があるが,対応してもらえなかったりします。
また、赤ちゃんの割礼について相談したが、理解してもらえなかったというケースもあるようです。
外国人に対する偏見や恐れを感じる
言葉が通じないから対応に困る、外国人だからコロナ感染症をもっているかもしれない等、様々な理由で外国人であるために受診を断られるケースがあります。
現在は少なくなってきましたが、医療従事者の外国人に対する偏見や恐れもあるようです。
医療費が支払えない
医療費が高額で支払いができないという外国人患者さんも多く存在します。厚生労働省の統計によると外国人患者の未払い額は1カ月で9400万円だそうです。
日本に3ヵ月以上滞在する外国人は「国民健康保険」(国保)に入らなければなりませんが、滞在3カ月以内であったり保険に加入していないケースや、旅行保険の未加入なケースで医療費のトラブルが発生しています。



医療費問題やサポート不足等はソーシャルワーカーさんの出番ですね。医療チームで患者さんのサポートしましょう。
外国人患者が看護師に求めているもの
「言語の壁」
は日本語が理解できない外国人患者さんが医療機関を受診時に直面する一番の問題です。
患者さんだけでなく、受け入れる医療機関側もコミュニケーションに一番の問題を抱えています。
言葉に困らない医療体制は外国人にとっても医療側にとっても必要不可欠ですね。
しかし、言葉以外に外国人患者さんが看護師に求めるものはなんでしょうか?



外国人患者さんは何を私達に求めているのかな?



実は外国人患者さんは安心を求めているんだよ。
外国人患者とコミュニケーションがとれないと避けてしまったり、訪室回数が減ってしまったなんていう経験ありませんか?
「患者さんから質問されたらどうしよう。。」などドキドキすることもしばしばです。
しかし患者側からしたらどうでしょうか。看護師がなかなか声をかけてくれないし、慣れない病院で入院しなくてはいけない。そのような環境下だったら誰でも不安です。
お互い英語が話せてコミュニケーションがとれるのが一番良いですが、、
実は外国人患者さんが看護師に一番求めているのは高い英語力ではありません。



そうなんだね。でもどうしたらそう思ってもらえるかな?



ヒントは言葉ではなく態度で示すことだよ。
外国人患者さんへの対応法


言葉が通じない患者さんには非言語的コミュニケーションが大変有効です。
具体的に以下の方法で外国人患者さんに接してみましょう。
話せなくても笑顔を向ける
笑顔は万国共通のコミュニケーションツールです。
外国人患者に対応できるだろうかと心配に思っていると表情にでます。まずは笑顔を意識しましょう。笑顔で接すれば、言葉が通じなくても患者さんはそれだけで安心できます。
病室への訪室回数を増やす
訪回数を増やして
「あなたの事を気にかけていますよ」
という態度を示すことが重要です。
体調を見にきてくれる、丁寧に扱ってくれるとわかれば、言葉が通じ無くても安心感を与えることができます。
ジェスチャーをつけて簡単な日本語でゆっくりと話す
英語ネイティブではなく、母国語しか話せない患者さんも多くいます。
日本にいるため、簡単な日本語を勉強している患者さんも多いです。日本語は話せないけど、なんとなく言ってることはわかる患者さんも多いです。
日本人も英語を話すのは苦手だけど、なんとなく英語がわかると言うこともありますよね?
外国人患者さんも同じでジェスチャーを使いながら簡単な日本語で話すことでコミュニケーションが取れることも多くあります。
あらかじめ使えそうな簡単な英単語を用意しておく
英語を話すのにちゃんとした文章で話さなくては…と思うと話せなくなってしまいます。
簡単な英単語を並べるだけでも外国人患者さんとコミュニケーションが取れます。
使いそうな単語をメモして使ってみましょう!



難しい医療英語は患者さんが理解できないことがあるよ。簡単な英語を使おう!
患者さんの国の文化や習慣を調べておく
受け持ち外国人患者さんの国の文化や習慣を関わる前に知っておくのも大切です。
イスラム教であれば、定時にお祈りが必要だったり日本人には馴染みのない習慣などもあります。
まずは相手を理解することで、なぜその行動をするのか、なぜそういう発言をするのか等理解が深まり、関わりやすくなります。



患者さん達は、私たち看護師の行動をしっかりと見ています。こちらの想いと態度は相手に伝わりますよ。
恐れず上記の方法でなるべくコミュニケーションをとることを心掛けましょう!
まとめ
外国人患者さんは医療機関を受診する時、入院する時、大きな不安を抱えています。
外国人患者さんが安心できる環境づくりが看護師の腕の見せ所です。
またコミュニケーションを図る能力の他に、相手を理解するという意味で、文化や生活習慣の違いを理解すると良いです。
対象患者さんの宗教の慣習や国の医療情報や体制などをあらかじめ調べて理解しておくと、相手への理解がより深まり個別性あるケアが提供できます。