世界中には貧困・飢餓・環境で苦しんでいる人達や地震・洪水・台風などの災害などで医療システムが崩壊し医療を必要としている地域などがあります。世界中では多くの医療ボランティア団体が様々な活動しています。
世界の医療は医療ボランティア団体の活動で支えられています。

医療ボランティアってなにしてるのかな?



発展途上国や被災地域などに行き医療支援をしているよ。
この記事は以下の方にお勧めです。
- どんな国際医療ボランティア団体があるか知りたい
- 医療ボランティアの条件について知りたい
- ボランティアの仕事の内容について知りたい
看護師として国際医療ボランティア団体で働こう!
国際医療協力に興味あるけど、どのように参加したらいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
世界各国には多くの国際医療ボランティア団体が活動しています。日本国内にも多くの国際医療ボランティア団体の事務所があり、多くの日本人看護師を世界に派遣しています。
団体にはNGOが多く、ボランティアだけでなくインターンシップや研修として参加できる団体もあります。
手当や給料が出ず、現地までの旅費は自費という団体もあれば、一部給料が支給される団体もあります。
この記事では5団体をピックアップして紹介しています。


JICA海外協力隊


「独立行政法人国際協力機構(JICA)」には青年海外協力隊という日本政府が政府開発援助(ODA)の一環として運営する、海外ボランティア派遣制度があります。開発途上国への国際協力を行っています。
アジア、アフリカ、中東、中南米、東欧など派遣提携を結んでいる国は90カ国以上となります。120以上もの職種に分かれて世界中でボランティア活動をしています。
活動内容
「看護師」隊員として派遣されます。仕事内容は多岐にわたります。以下はJICA海外協力隊からの一例です。
- 地域病院で、看護業務を通して、医療事故や院内感染防止、患者中心ケアを病院スタッフに指導
- 県病院のICUで、看護技術の向上や看護ケア改善のための指導
- 地域の保健センターや村落地域を巡回して、住民への生活習慣病予防のための啓発活動を行う
- 看護の専門学校で、同僚とともに実習を中心に学生を指導
看護師求人
- 20~69歳の方で、日本国籍を持つ方
- 実務経験3年以上。場合によっては5年以上。
- 助産師、保健師資格があると良い
語学条件
中学卒業程度(英検3級もしくはTOEIC330点)。英語圏に応募するならTOEIC640以上。
派遣期間
原則2年間。
費用
基本はボランティアになるので給料はありません。しかし現地での生活費や住居費、往復渡航費、現地業務費の支給はあります。
また準備費や帰国後の社会復帰費用として以下の3つの手当がもらえます。
- 本邦支出対応手当:5.5万円/月
- 帰国初動生活手当:1万円/月
- 帰国社会復帰手当:2万円/月
合計8.5万円/月 × 24カ月 =204万円(2年間)が支給されます。
国境なき医師団


「国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)」は、1971年にフランスで設立された民間で非営利の医療・人道援助団体です。世界中、医療が届かない人びとのもとへ駆け付けるをコンセプトとしており、1999年にはノーベル平和賞も受賞しています。
世界70各国の地域で活動をしており、貧困地域や感染流行地、紛争地域を中心に支援を実施しています。世界では3万8000人以上の海外派遣スタッフが活動しています。
2020年の活動報告によると、75人(のべ106回)が日本から30各国へ派遣され活動しています。
活動内容
派遣看護師の主な役割は、プログラムや活動地域によって内容は様々ですが、看護スタッフのマネジメントです。
看護スタッフの知識や技術の向上のための教育や、医療機器や人員管配置などの管理業務が多いようです。その他、病院全体の感染予防、ロジスティック、関連組織との交渉など様々な仕事を担うようです。
看護師求人条件
- 熱帯医学の学位または臨床経験
- 1年以上の感染管理の経験
- マネジメント・監督・教育の経験
- 強いリーダーシップがあること
語学条件
看護師として業務、教育、指導を行えるレベルの英語またはフランス語。
派遣期間
派遣期間の目安は約6カ月~1年。
費用
初めて参加される場合、職種に関わらず、毎月17万円ほど日本円で振り込みがされます。現地での食費・日用雑貨購入費として現地通貨で毎月支払われます。派遣先までの旅費や活動中の医療保険なども負担してくれます。
ジャパンハート


「ジャパンハート」は日本発祥の国際医療NGOです。2004年に吉岡秀人(小児外科医)が設立。
これまでに通算5000人のボランティアを派遣し、国内、海外問わず「未来の閉ざされた人たちに、明るい未来を取り戻す」を目的に医療活動しています。
常時活動はミャンマー、ラオス、カンボジア、日本。 発展途上国では、貧しく医療を受けられない人々を対象に、これまでに20万件の治療を行ってきました。
活動内容
短期ボランティアと長期ボランティアがあります。
主な仕事内容はジャパンハートが運営する病院での、
- 手術活動(直接介助・間接介助・外回りなど)
- 外来診療(内科診療・エコー検査介助・配薬服薬指導など)
- 病棟看護ケア(入退院受け入れ、手術受け入れだし、術後管理など)
- 滅菌作業
看護師求人条件
短期ボランティア
- 指定業者を通じて自分自身で手配し、現地集合・現地解散ができる方
- その他外語力、専門科、経験年数は問わない



旅行会社と提携したボランティアツアーのようなものです。
長期ボランティア
- ジャパンハート医療従事者会員
- 臨床経験3年⽬以上
- 英語で必要なコミュニケーションがとれる、もしくはコミュニケーションとれるように努力することができる
- ACLSコース資格保持者(応募時点で有効期限内であること)
語学条件
短期ボランティア
外国語力、専門科、経験年数は問いません。
長期ボランティア
語学力は必須ではないが、英語で必要なコミュニケーションがとれることが望ましい。
研修期間
短期ボランティア
- 4日研修コース:ボランティア活動メインで実施します。
- 6日研修コース:現地の医療現場を視察し国際医療についてディスカッションしたりしフィールドワークを通して学びを深めます。日本人スタッフが同行するので初めての方でも安心です。
長期ボランティア
1年6カ月長期看護研修コース:国内活動6カ月、海外活動6カ月、後期6カ月は活動地を選択。



短期は国際協力に興味がある人、長期は国際協力を本格的に学びたい人向けだね。
費用
基本研修扱いになりますので、短期コースは費用は24〜26万円ほどかかります。旅費などもすべて自費になります。
世界の医療団


「世界の医療団(Médecins du Monde)」は1980年にフランスで設立された、人道支援や医療支援に取り組む医療に特化した国際的なNGOです。ドクター・オブ・ザ・ワールドとも呼ばれています。
年間に世界74カ国にボランティアを派遣し、330以上のプロジェクトを実施しています。
世界の医療団の第一の使命は「治療する」ことであり、災害などの被災者、貧困に苦しむ人々、難民等、医療が届かないすべての人々を援助対象にしています。
活動内容
医療団であるため看護職の募集も多く、医療保健分野等で有償・無償にボランティアなどがあります。
- 紛争や貧困に苦しむ人々の自立支援を目的とした医療支援
- 多肢や合指など疾患をもった人々の手術
- 難民・移民の人道医療支援活動
- HIV・エイズの予防を行う活動、医療・保健衛生システムが崩壊した国への保健衛生システム再構築
- 新型コロナウイルス感染症の緊急医療支援 等
看護師求人条件
常にボランティアを募集しているわけではありません。
プロジェクトによって条件は異なりますが、看護師のボランティアは以下の条件が多いようです。
- 2年以上の臨床経験。保健師、助産師の免許があると良い。
- 最低3カ月以上活動に参加できる人
- 熱帯医学・公衆衛生・海外での医療活動があると良い
語学条件
英語またはフランス語で業務が遂行できることが望ましい。
派遣期間
3カ月以上で基本は6カ月程度。
費用
生活費や交通費は支給され、現地生活手当も支給されます。1年以上の派遣の場合は、再就職斡旋手当もでます。社会保険や住居維持費を一部負担してもらえるなどの補償もあります。
プロジェクトアブロード


「プロジェクトアブロード」は1992年に設立されたイギリスの実践型の国際ボランティア・インターンシップ派遣団体です。
医療スタッフとして派遣されて活動するというよりは、インターンシップとして参加します。その特長は、視察で終わるよくある海外ボランティアツアーではなく実践型を重視しています。
アジア・中南米、アフリカ、南米など派遣先は様々です。興味に応じて複数国を選択することもできます。活動内容
活動内容
派遣による医療支援をするというより、学びを得るといったほうが良いかもしれません。
発展途上国の医療現場で働く看護師から現場の医療を学び、地域各所にヘルスケアの提供に貢献するインターン経験を得ます。
看護師求人条件
- 看護学生から現役看護師まで、医療に興味がある人
- 16歳以上
- 看護資格はなくてよい
語学力
英語力を問わず参加できるプログラムが大半である。しかし、現地スタッフとのコミュニケーションは英語であるため質問できるレベルの英語力があったほうが良い。
派遣期間
1週間以上。



夏休みなどを利用して参加することができるよ。
費用
費用は1~2週間で20万〜35万円程かかります。費用に現地の宿泊費・食費も含まれます。現地までの旅費やビザ、海外旅行保険などは別途必要です。
まとめ
国際医療ボランティア団体を5つ紹介しました。給料が支給される団体は、参加条件などもやや厳しくなっています。
まずは体験からという方は、プロジェクトアブロードやジャパンハートに参加することをおすすめします。
まずは体験によって以下の能力を身に付けよう。
- 過酷な環境下での適応能力
- 業務を円滑に遂行できるコミュニケーション能力、語学力
- 医療設備の乏しい環境下で行われる医療支援の経験
- 異文化での生活適応能力
- 慣れない発展途上国でやり遂げた自信



体験型はお金はかかるけど、国際協力をしりたい方には打ってつけだね。



まず体験をしてから本格的に派遣できる団体に行くのはお勧めです。